フリーランスエンジニア面談攻略:質問例と失敗回避のガイド

フリーランス

フリーランスエンジニアとして案件を獲得する上で避けて通れないのが面談です。「どんな質問をされるの?」「どう答えればいいの?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、実際に10回以上の面談を経験した私が、面談の流れから具体的な質問例、失敗談まで、リアルな体験をもとに面談攻略法をお伝えします。

フリーランス面談と正社員面接の違い

フリーランスの案件面談は、正社員の採用面接とは根本的に異なります。まずはこの違いを理解しておきましょう。

正社員面接では重要だが、フリーランス面談では不要なもの:

  • 企業研究や志望動機
  • 将来のキャリアプランや成長意欲
  • 複数回の選考プロセス(書類→一次→二次→最終など)
  • 企業文化への適合性

フリーランス面談で重視されるのは:

  • 即戦力性:すぐに業務に入れるか
  • 技術的マッチング:必要なスキルを持っているか
  • コミュニケーション能力:チームと円滑に働けるか
  • 契約条件:稼働時間、単価、期間の調整

面談は基本的に1回のみで、「この人と一緒に働けそうか」「技術的に問題ないか」を30分〜1時間程度で判断されます。正社員のような長期的な視点ではなく、「このプロジェクトに必要な人材か」という短期的な判断が中心になります。

また、フリーランスは契約期間が限定的(1〜6ヶ月程度)なため、正社員採用と比べて採用ハードルが低く設定されています。「まずは1ヶ月試してみて、問題なければ延長」といった試用期間的な契約から始まるケースも多く、企業側・フリーランス側双方にとってリスクが少ない形で始められます。

面談の基本的な流れ

まず、フリーランスの案件面談は基本的に以下のような流れで進行します。この流れはほぼ定型化されているため、事前に把握しておくだけで心の余裕が生まれます。

  1. 事前準備:職務経歴書の共有
  2. 事業・プロジェクト説明:クライアント側からの説明
  3. 自己紹介:職務経歴書をベースにした自己紹介
  4. 直近プロジェクトの詳細説明:3案件程度
  5. 質疑応答:技術的な質問や条件面の確認
  6. 逆質問:こちらからの質問タイム

各段階での攻略ポイント

面談の成功は、事前の準備で8割決まります。ここでは、各段階で意識すべきポイントを見ていきましょう。

事前準備のコツ

職務経歴書は書類として完璧でも、面談で話すための準備が別途必要です。

  • 各プロジェクトを1-2分で説明できるよう準備
  • 技術的な詳細は相手の質問に応じて調整できるよう整理
  • 直近3案件は特に詳しく話せるようにしておく

自己紹介のポイント

職務経歴書をそのまま読み上げるのではなく:

  • 簡潔に経歴を時系列で説明
  • 得意分野を明確にアピール
  • 今回の案件に関連する経験を強調

プロジェクト説明での差別化

直近プロジェクト3個程度の説明では:

  • 課題と解決策をセットで話す
  • 技術選定の理由を説明できるようにする
  • チーム規模や自分の役割を明確にする

実際に聞かれた質問と対応例

ここでは、実際に聞かれた回答例とよく聞かれる定番質問を紹介します。

実際に聞かれた技術的な質問

Q: 設計書もなく、コードがぐちゃぐちゃになってると思うけど、どう対応する?

A: 「新機能や機能追加の際は、新しい設計の枠組みで実装します。既存コードを無理に直すのではなく、新しい部分から段階的に改善していく方法が現実的だと思います」

この質問は、レガシーコードへの対処法を確認する典型的なパターンです。「全部リファクタリングします」のような理想論ではなく、現実的で段階的なアプローチを示すことで、実務経験の豊富さをアピールできます。

Q: Coroutineで何ができるの?

A: 「Coroutineでないとできない機能があるわけではなく、非同期処理を同期的なコードのように書けるようにする仕組みです。コールバック地獄を避けて、複雑な非同期処理をわかりやすく実装するためのツールという認識です」

技術の本質を理解しているかを見る質問です。「新しいからすごい」ではなく、既存技術との違いや利点を整理して説明することで、表面的な知識ではない理解度を示せます。完璧でなくても、本質的な理解があることが伝われば十分です。

Q: コードレビューで気をつけていることは?

A: 「コードの可読性を追求しすぎないことです。完璧を求めるとレビューで無意味な対立が生まれがちなので、チームの心理的安全性を重視しています」

この回答は「心理的安全性を大切にしているから好印象だった」とフィードバックをもらえました。技術力だけでなく、チームワークへの配慮も評価されるポイントのようです。

Q: あなたにとってのバイブルは何?

A: 「正直ないです。色んな技術書を読んだ経験はありますが、それぞれの参考書が別の方向性で意味がありました。現場での実経験の方が役立っていると感じています」

この質問は技術者としての価値観や学習姿勢を見る質問です。変に取り繕わずに正直に答えることで、現場経験を重視する実務者としての信頼性を示せます。「学習軽視」ではなく「実践重視」という姿勢が伝わる回答例です。

よく聞かれる定番質問

  • 直近のプロジェクトについて詳しく教えてください
  • なぜその技術を選択したのですか?
  • チーム開発での役割は?
  • 困難だった課題とその解決方法は?
  • 稼働開始可能日はいつですか?
  • 設計思想について説明してください(MVC、MVP、MVVM、クリーンアーキテクチャなど)

特に設計思想に関する質問はよく出ます。MVC、MVP、MVVM、クリーンアーキテクチャなどの基本的な設計パターンは、開発技術に関連したトレンドとして正確に説明できるようにしておくことをお勧めします。

逆質問のリアル

正直なところ、逆質問で特に印象的だったものは記憶にないのが現実です。当たり障りのないテンプレ質問をすることがほとんどでした。

フリーランスの面談では正社員面接ほど逆質問に重きを置かれておらず、むしろ「契約条件や技術的な詳細を確認する場」という側面が強いためです。

定番の逆質問例

  • プロジェクトの技術的な課題は何ですか?
  • チーム構成やコミュニケーション方法について教えてください
  • 開発環境や使用ツールはどのようなものですか?
  • プロジェクトのスケジュール感はいかがですか?

面談では「逆質問で差をつけろ」なんて言われますが、実際は普通の質問で十分です。変に凝った質問をするより、素直に知りたいことを聞く方が自然で好印象を与えられます。

面談での失敗談

面談は成功ばかりではありません。失敗から学ぶこともたくさんあります。私のリアルな失敗談から、面談で本当に大切なことをお伝えします。

体調不良

面談中に突然腹痛に見舞われ、全然話せなくなったことがありました。体調管理も面談成功の重要な要素だと痛感しました。

教訓: 面談前の体調管理は重要。無理せず日程調整をお願いすることも大切。

圧迫面接

「色んな機能開発を経験したので、ある程度どんな機能開発にも対応できる自信があります」と答えたところ、「じゃあ最新技術の○○はどうだ?」と詰め寄られました。「すみません、その技術は知りません」と正直に答えると、面接官がヘラヘラと嘲笑。エージェントも同席していたのに、紹介した人材をこんな風に扱う会社では、エージェントの評価も下がりかねません。こんな揚げ足取りをして喜んでいるような会社は軽薄すぎます。

教訓: こんな会社はこちらからお断り。面談は相手を見極める機会でもあり、違和感を感じたら無理に合わせる必要はありません。

フリーランスの価値を理解しない企業

家から遠い渋谷のオフィスビルまで面談に行ったのに、結果は不採用。理由が「正社員になるなら採用する」というものでした。フリーランスを何だと思っているんだと呆れました。最初に確認すれば済むような理由で時間を無駄にさせられたのは、単純に腹立たしかったです。

教訓: 特にスタートアップの中には、フリーランスの働き方を十分に理解していない、または採用プロセスが未熟な企業も存在します。面談の機会が無駄にならないよう、フリーランスとしての働き方への理解度や、企業文化を事前に見極めることも重要です。

面談で意識すべきポイント

最後に、面談を成功に導くための3つのポイントをまとめます。

技術的な回答のコツ

  • 知ったかぶりをしない
  • 経験がない技術については正直に「経験はないが、学習意欲がある」と伝える
  • 本質的な理解を示す回答を心がける

コミュニケーション面

  • 相手の説明をよく聞き、的確な質問や相槌を打つ
  • 専門用語を使いすぎず、相手のレベルに合わせた説明を心がける
  • 積極的に質問し、プロジェクトへの関心を示す

マインドセット

  • 正直に、でも前向きに答える
  • 相手のことも見極める姿勢を持つ

まとめ

フリーランスの面談は、思っているほど特殊なものではありません。基本的な流れを理解し、自分の経験を整理して話せるようにしておけば、大抵の面談はクリアできます。

重要なのは:

  1. 事前準備をしっかりする
  2. 正直に、でも前向きに答える
  3. 相手のことも見極める姿勢を持つ

面談は案件を獲得するためだけでなく、お互いがマッチするかを確認する場でもあります。完璧な回答を求めすぎず、自然体で臨むことが一番の成功法則です。そして、もし結果が不採用だったとしても、それはあなたの価値が否定されたわけではありません。 相性が合わなかっただけ。そう割り切って、次の案件に気持ちを切り替えましょう。

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