フリーランスのデメリット8選:10年やって正直ほとんど感じなかった話

フリーランスのデメリットについて調べると、判で押したように同じことが書いてある。
「収入が不安定」「社会的信用が低い」「孤独になりやすい」——
確かにそうかもしれない。でも10年近くフリーランスをやってきた自分の感覚では、「一般的にデメリットと言われているけど、実際はそうでもない」ものが多い。
この記事では、よく言われるフリーランスのデメリット5つを、実体験ベースで正直に評価してみる。
収入が不安定
一般的に言われること:案件が切れると収入がゼロになる。毎月決まった給料がない。
実際のところ:デメリットと感じたことがほぼない。
確かに空白期間は何度かあった。でも「困った」という記憶がない。理由は二つ。一つは、次の案件がわりとすぐ見つかること。もう一つは、空白期間を自分でコントロールできるという点だ。
意図的に空白を作って勉強した時期がある。あの時間でDockerを覚えて、PHPとLaravelも習得した。正社員だったらこの時間は作れなかった。会社の業務外で勉強しろということになる。
「収入が不安定」は確かに事実だが、それをどう使うかは自分次第。デメリットにもなるし、メリットにもなる。
本業以外の業務もこなさなければならない
一般的に言われること:確定申告や経理、営業など、専門スキル以外の業務が増える。
実際のところ:言うほど大変じゃない。
フリーランスになりたての頃は「確定申告って何やねん?」という状態からスタートした。でも本を一冊読んで、青色申告会の講座を受けたら普通にできた。当時はfreeeもなく、やよいのオンラインで申告していたが、特に詰まらなかった。
個人事業主レベルの確定申告なら、情報収集さえすれば難しくない。むしろ自分の収支を把握できるようになって、お金の流れへの解像度が上がった。
「大変そう」という先入観が一番の壁で、実際にやってみると思ったより楽勝だったというのが正直な感想だ。
社会的信用が低い
一般的に言われること:住宅ローンや賃貸審査で不利になる。クレジットカードが作れない。
実際のところ:自分は一度も困ったことがない。
賃貸は家賃が高い物件を借りようとしたことがない。不動産を購入したこともないのでローンも組んでいない。クレジットカードも普通に審査が通って、月100万円の利用枠がある。その枠に困ったことも一度もない。
ただし、これは「そういう状況に置かれなかった」だけかもしれない。高額の住宅ローンを組もうとしたり、大きな賃貸物件を借りようとしたりすれば話は変わってくる可能性はある。
ライフスタイルによって影響度が全然違うデメリットだと思う。
責任のある仕事を任されにくい
一般的に言われること:重要なポジションや意思決定に関わる仕事は正社員に任されがち。
実際のところ:半分本当、半分嘘。
確かにCI/CDの設定やセキュリティキーの管理など、インフラ寄りの業務は触らせてもらえないことが多かった。その点はフリーランスの外注扱いゆえの制限を感じた。
ただし、会社によってかなり違う。ゆるい会社だと普通に触らせてくれる。リードエンジニアをやった経験もある。小規模チームではあったけど。
「任されにくい」は傾向としてはあるが、絶対ではない。会社の文化と、自分の信頼をどれだけ積み上げたかによって変わる。
孤独になりやすい
一般的に言われること:同僚がいない。仕事の悩みを相談しにくい。モチベーション維持が難しい。
実際のところ:これが一番「本当に?」と思うデメリットだ。
自分はまったく孤独を感じない。正直、共感できない。むしろ浅く広い人間関係の方が疲れると感じる。毎日顔を合わせる必要のない関係、業務が終わったらきれいに距離を置ける関係——これがコストカットになって最高だと思っている。
もちろん性格による。コミュニケーションや社内政治を楽しめる人には、フリーランスの孤独感がデメリットになることはあるだろう。でも「一人の方が気楽」という人間にとって、これはデメリットどころかメリットだ。
6. スキルが偏る
一般的に言われること: 同じ現場に長くいると同じ技術しか使わなくなる。正社員なら社内異動でリセットできるが、フリーランスは自分で動かないと詰む。
実際のところ: これは本当にある。ただ対処法もシンプルだ。
同じ現場に長くいると「この技術しか使っていない」という状況になりやすい。フリーランスは誰も「そろそろ別の仕事してみないか」と声をかけてくれない。自分でアンテナを張って動かないと、気づいたら市場価値が下がっていたということになる。
ただ逆に言えば、意図的に空白期間を作って勉強するという選択肢がある。実際に空白期間を使ってDockerを覚えて、PHPとLaravelも習得した。正社員だったらこの時間の使い方はできなかった。デメリットを能動的にひっくり返せるのもフリーランスの特徴だ。
7. 有給がない
一般的に言われること: 体調不良で休んだ日は収入がゼロ。インフルエンザで1週間寝込んだら普通に痛い。
実際のところ: これは否定できない本物のデメリット。
正社員なら有給消化で給料が出るが、フリーランスは休んだ分だけ収入が減る。月額契約の場合は稼働時間で計算されるので、体調不良が続くと月末の請求額がガクッと下がる。
対処法としてはある程度の貯金を常に持っておくことに尽きる。「3ヶ月分の生活費は常にキープする」というルールを自分に課しておくと、多少休んでも焦らなくて済む。有給がないことは変えられないので、リスクヘッジで対応するしかない。
現場の当たり外れが激しい
一般的に言われること: 入ってみないとわからない。ハズレ現場を引いた時のダメージが正社員より大きい。
実際のところ: これも本当にある。ただ「すぐ逃げられる」という裏返しでもある。
面談である程度の雰囲気はわかるが、実際に入ってみないとわからないことも多い。技術スタックがレガシーだった、チームの雰囲気が最悪だった、マネージャーが機能していなかった——こういうハズレを引くことは普通にある。
ただフリーランスの場合、契約更新しなければいいというシンプルな解決策がある。正社員だと「辞めます」と言い出すまでのエネルギーが必要だが、フリーランスは「次の更新はしません」の一言で終わる。ハズレを引いてもダメージが長引きにくいのはフリーランスの強みだ。
退職金・厚生年金がない
一般的に言われること: 正社員なら会社が半分負担してくれる厚生年金も、退職金も、フリーランスにはない。老後が不安。
実際のところ: 制度がないだけで、自分で作ればいい話。
確かに会社が半分負担してくれる厚生年金はないし、退職金もない。でもiDeCo(個人型確定拠出年金)と小規模企業共済を使えば、節税しながら老後資金を積み立てられる。しかも自分で運用先を選べるので、会社任せより自由度が高い。
「制度がない」と「老後が不安」は別の話だ。制度がないなら自分で作ればいい。むしろフリーランスの節税メリットを活用しながら積み立てる方が、トータルで有利になるケースもある。
まとめ:デメリットは「人による」が結論
正直に言うと、フリーランス歴10年近くで「これは本当につらい」と感じたデメリットはほとんどない。
よく言われるデメリットの多くは、ライフスタイルや性格によって影響度が大きく変わるものだ。「収入不安定が怖い」人もいれば、「空白期間を自分で作れる」と感じる人もいる。「孤独がつらい」人もいれば、「気楽でいい」と感じる人もいる。
フリーランスのデメリットを気にしているなら、まず「自分はどっちタイプか」を考えることが先決だ。一般論より、自分の価値観との相性の方がよっぽど重要だと思う。
