キラキラ系エンジニアの特徴と問題を考察

考察

IT業界で耳にする「キラキラ系エンジニア」。最新技術を追い、SNSやカンファレンスで派手に自己アピールし、「カッコいい」イメージをまとうエンジニアたちだ。彼らはトレンドを牽引する一方、チームでの協調性や実務でのリスクも引き起こす。

この記事では、キラキラ系エンジニアの特徴、背景、現場での問題行動、そしてどう向き合うべきかを、実際の体験談も交えて考察する。エンジニアとして誰もが持つ「特別でありたい」気持ちと、ビジネスの現実の間で、どうバランスを取るべきか考えてみよう。

この記事は僕が書いたよ

キラキラ系エンジニアとは?

キラキラ系エンジニアは、以下のような特徴を持つ

  • 自己ブランディング重視:XやQiitaで最新技術の活用をアピールし、カンファレンスで派手なスライドで登壇。技術力以上に「目立つこと」に注力。
  • トレンドへの敏感さ:React、AI、Web3など、流行りの技術やライブラリに即飛びつく。公式ドキュメントをなぞった発表やポストで「最先端」を演出。
  • おしゃれなイメージ:MacBook片手にカフェでコードを書く、スタートアップ的な自由な働き方をアピール。「エンジニアってカッコいい!」を体現。

2025年の今、Xで「#エンジニア」タグを見ると、キラキラ系の派手なポストが目立つが、「中身が薄い」との批判もちらほら見られる。

なぜキラキラ系エンジニアは存在するのか?

キラキラ系が生まれる背景には、業界や社会の構造がある

  • エンジニア職の「キラキライメージ」:メディアやSNSで「エンジニア=イノベーションの最前線、高収入、自由な働き方」と持ち上げられる。おしゃれなオフィスや高スペックPCでの仕事が「カッコいい」とされ、若手が憧れる。
  • SNSとカンファレンスの影響:Xでのバズやカンファレンス登壇は「成功」の象徴。承認欲求を満たす場として、キラキラ系は「最新技術で目立つ」ことを目指す。
  • 採用市場の競争:優秀なエンジニアを求める企業が増え、個人ブランディングが重要に。XやGitHubで「最先端の自分」をアピールすることで、スカウトされやすくなる。

この環境が、技術力以上に「カッコよさ」を追求するキラキラ系を量産している。

キラキラ系エンジニアの特徴

キラキラ系には、以下のような性格的傾向がある

  • 強い承認欲求:「いいね!」やフォロワー数、登壇の拍手など、他者からの評価を強く求める。Xでの「〇〇ライブラリ使ってみた!」ポストは典型。
  • 高いプライド:「俺の選んだ技術が最先端」「古い技術はダサい」と考える。技術マウントを取ることで、自分の「優秀さ」を証明しようとする。
  • 個人主義:チームより自分の成果やイメージを優先。報連相を怠り、独断で技術導入を進めることも。

これらの傾向はモチベーションを高める一方、チームでの協調性を損なうリスクをはらむ。

実際の現場でよくある問題行動

キラキラ系が現場で引き起こす問題は多岐にわたる

  • 無意味なコード書き換え:動いているコードを「最新ライブラリだから」と理由でリプレイス。ユーザー価値やパフォーマンス向上に繋がらず、バグやメンテコストを増やす。
  • 報連相の欠如:チームの合意なく新技術を導入し、トラブルを招く。Xで「〇〇でフルリプレイス成功!」とポストする裏で、チームが後始末に追われる。
  • 技術マウントによる対立:「その技術、古いよ」と他者を批判し、議論がエゴのぶつかり合いに。チームの雰囲気を悪化させる。
  • 精神的安全性の低下:独断的な行動やマウントが、メンバーの発言を萎縮させる。心理的安全性が損なわれ、協力やアイデア出しが減る。

実体験:キラキラ系エンジニアとの摩擦

キラキラ系の行動がチームに及ぼす影響を、実際のエピソードで振り返る。ある同僚Aさんは、普段から技術話に熱心で、プライベートでもカンファレンス参加やQiita投稿を精力的に行う典型的なキラキラ系だった。仕事にも熱心に見えたが、ある事件が起きた。

私が提出したプルリクエスト(PR)をAさんがレビュー。いくつか改善点を挙げられたが、私がコードの意図と経緯を説明し、改善点を否定する形になった。Aさんは納得いかなかったのか、公式ドキュメントや動作確認で検証を始めたが、結果的に私の主張が正しいと認め、「あなたが正義だった」とコメント。だが、「正義」という言葉に違和感を覚えた。チーム開発は協力して行う物。そこに「正義」や「悪」はあるのか? その後、Aさんが転職を報告。実は以前から他のチームとも摩擦があり、このPRが引き金になったのか退職に至った。(私の説明の仕方にも問題があったのかしれない…)

問題はここからだ。転職までの残りの勤務期間、Aさんの態度が急変。私の仕事をSlackで監視し、改善提案と称して揚げ足取りや煽り発言を連発。ミーティングでも技術マウントが目立ち、チームの雰囲気が悪化した。その後Aさんは退職し、彼の真意はわからないが、まるで承認してくれる「キラキラな場」を求めて転職したかのようだった。この経験から、キラキラ系の承認欲求やプライドが、チームの信頼や協力を壊すリスクを痛感した。

彼らと共に働く上での注意点や対策

キラキラ系と上手く働くには、傾向を理解し、リスクを抑える対策が必要だ

  • 報連相の徹底:技術導入やコード変更はチームの合意とレビューを必須に。独走を防ぐルールを明確化。
  • 目的ドリブンの文化:新技術導入前に「何の課題を解決する?」「ユーザーへの価値は?」を問い、目的を見失わない。
  • 心理的安全性の確保:ミーティングで全員が発言できる環境を整え、技術マウントをリーダーがシャットダウン。「データや根拠で話して」と促す。
  • 地味な仕事の評価:保守やバグ修正、ドキュメント整備も高く評価。「目立つ仕事」ばかり追い求める風潮を抑える。
  • キラキラ系の強みを活かす:発信力やトレンドキャッチ力は、コミュニティ貢献や新技術検証に役立つ。適切な場面で活躍させ、チームにプラスに。

まとめ

キラキラ系エンジニアは、特別でありたい、尊敬されたいという人間らしい欲求の表れだ。彼らの発信力やトレンドへの敏感さは、チームや業界に新しい風を吹き込む可能性を持つ。しかし、ITの現場は自己実現の場ではなく、ユーザーやビジネスに価値を提供する場だ。承認欲求やプライドが度を過ぎると、チームの協調性やサービスの安定性を損なう。実体験からも、キラキラ系の個人主義が摩擦や対立を生み、チームの信頼を壊すリスクが明らかだ。

大切なのは、キラキラ系を非難するのではなく、彼らの傾向を理解し、適切なルールや文化でリスクを管理すること。そして、私たち自身も「特別でありたい」気持ちに流されず、技術や権威に目を曇らせない冷静さを持つこと。キラキラ系の強みを活かしつつ、チームワークとユーザー価値を優先するバランスが、エンジニアとして成長する鍵だ。

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