こんにちは、ゲーム業界のトレンドを追いかけるブログライターのモリサキです(?)。今日は、Nintendo Switch 2の品薄騒動から派生した話題を深掘りします。Steamやスマホアプリといったプラットフォームがあるのに、なぜメーカーは未だに専用ハードを開発・販売し続けるのか? ビジネス的な理由を紐解いてみましょう。
ハードがいちいち必要になる非合理性
ハードをいちいち作るからハードがないと、ゲームがプレイできない状況が発生しています。どう考えても非合理的ですがビジネス視点だと、ユーザーのニーズやブランディング他社プラットフォームへのマージンが関係しています。
たとえば、2025年現在、Nintendo Switch 2は発売から3ヶ月経っても品薄で、定価で買うのが大変。転売価格が7万円を超えるなんて話もザラです。
これ、SteamやEpic Games Storeのような既存のPCゲームプラットフォーム、あるいはApp StoreやGoogle Playでゲームを配信すれば解決しそうなのに、なぜ任天堂をはじめとするメーカーはハードにこだわるのでしょう? 以下で詳しく解説します。
ユーザーのニーズと習慣がハードを支えている
まず、ユーザーの側面から。PCゲームは確かに便利ですが、ゲーミングPCは高価だし、スペックの違いで動作が不安定になることもあります。スマホゲームも普及していますが、タッチ操作では物理ボタンのような精密な操作感は得られません。
任天堂のSwitchシリーズのように、携帯モードでどこでも遊べて、TVにつなげば大画面でも楽しめる——この手軽さと柔軟性は、PCやスマホでは完全に再現しにくいんですよね。
特に、任天堂のターゲット層は家族やライトゲーマー。子供がJoy-Conを振ってマリオを遊ぶ体験は、物理的な専用ハードだからこそ生まれるもの。市場データを見ても、専用ハードの需要はまだまだ健在で、Switch 2は発売4日で世界350万台売れたそうです。
ユーザーが「専用機の安定性と操作感」を求めている限り、メーカーはハードを出し続けるインセンティブがあります。ビジネス的に言うと、これが「顧客ロイヤリティ」を高め、長期的なファンを作り出しているんです。
ブランディングとエコシステムのコントロール
次に、ブランディングの観点。ゲームメーカーにとって、ハードは単なる「箱」じゃなく、ブランドの象徴です。任天堂のマリオやゼルダ、ソニーのPlayStationシリーズは、ハードに紐づいた独自のエコシステムで成り立っています。
ハードを売ることで、ソフト販売やオンラインサブスク(Nintendo Switch Onlineみたいに4,000万加入者超え)の収益を独占的に確保できるんです。
もしSteamやApp Storeに完全移行したら、他社のプラットフォームに依存せざるを得ない。そこでは、ブランドのコントロールが弱まってしまいます。
Steamであれば、Valveがセール時期やプラットフォームのルールを決めます。スマホアプリならAppleやGoogleの審査基準に従わなければなりません。価格設定の自由度も制限されます。
任天堂は特に「任天堂らしい体験」を守るDNAが強いので、ハードを軸にエコシステムを構築し続けているわけです。結果として、ハードの利益率は薄くても、ソフトや周辺機器でガッツリ稼げるモデルが成立しています。
他社プラットフォームへのマージン問題
そして、一番のビジネス的障壁が「マージン」です。SteamやEpic Games Storeでゲームを販売すると、約30%前後の手数料が発生します(Epicは12%と低めですが)。アプリストア経由のスマホゲーも同じく、AppleやGoogleに30%取られるんですよ(条件次第で15%になることもありますが)。
これ、メーカーにとっては痛い出費。任天堂の自社ハードなら、ソフト売上のほぼ全額(サードパーティからのロイヤリティ含む)が自社の利益になるのに、他社プラットフォームだと中間マージンで利益率がガクッと下がる。
さらに、自社ハードならオンラインサービス(Nintendo Switch Online)の収益も丸ごと自社のもの。Steamで配信していたら、このオンライン収益は得られません。
長期的に見ると、ハード開発・製造のコストを払ってでも、プラットフォームを所有する方が利益率が高いんです。
たとえば、Switch 2は発売4ヶ月で1,000万台超を販売。業界アナリストの試算では、投資に対して140〜200%のリターンが出ているそうです。自社プラットフォームの強さが数字に表れていますね。
クラウドゲーミングはどうなの?
ちなみに、クラウドゲーミング(例: Xbox Cloud GamingやGeForce NOW)も選択肢としてあります。しかしこちらも結局、AmazonやMicrosoftのサーバーを使う場合、30%前後の手数料が発生します。
加えて、クラウドはネット回線が不安定な地域ではラグが発生しやすいし、オフラインでプレイできないのもネック。技術的にはまだ発展途上です。
任天堂はすでにクラウドの実験(『バイオハザード7』のクラウド版)をしていますが、独自クラウドを構築する方向にシフトしそう。Nintendo Switch Onlineを拡張して、自社サーバーで配信すればマージンを回避できます。でも、それでもハードを並行して出すのは、クラウドの弱点(回線依存)を補うため。結局、ハイブリッド戦略で両方を活かすのが現実的なんです。
業界の動向:プラットフォーム企業もハードを出している
興味深いのは、既にプラットフォームを持っている大手企業も、専用ハードを出し続けていることです。
Valve(Steam Deck)
Valveは世界最大級のPCゲームプラットフォーム「Steam」を運営しています。わざわざハードを作らなくても、ゲームを売る場所はあるわけです。それなのに、2022年にSteamDeckという携帯ゲーム機を発売しました。3年間で約600万台を出荷し、PCハンドヘルド市場の約50%を占めています。
なぜでしょうか?答えは、「携帯ゲーム市場での存在感を確保するため」です。ハードを出すことで、Steamのエコシステムを携帯市場にも拡大できるんです。
Microsoft(ROG Xbox Ally)
Microsoftも同じです。XboxというゲームプラットフォームとXbox Game Passというサブスクサービスを持っているのに、2025年10月にASUSと協力してROG Xbox Allyという新型ハンドヘルドを発売しました。標準版が599ドル、上位版が999ドル。
このハードは、XboxとWindowsを統合し、Xbox、Battle.net、Steam等の複数のストアにアクセスできる設計。つまり、「Xboxの体験+Windowsの自由度」という専用ハードでしか実現できない価値を提供しているわけです。
Apple(ゲーム市場への本格参入)
Appleも動いています。App Storeという世界最大級のアプリプラットフォームを持っているのに、2025年にゲーム専用アプリの投入を計画。iPhone、iPad、Mac、Apple TV全体でのゲームハブとして機能する予定です。さらに、史上初のゲーム開発スタジオの買収も実施しました。
専用ハンドヘルドの発売はまだ噂レベルですが、Appleがゲーム市場でのハードウェア展開を視野に入れているのは間違いありません。
市場規模の現実
ただし、市場規模で見ると、PCハンドヘルド市場はまだニッチです。Steam Deckは3年で600万台ですが、Nintendo Switchは6ヶ月で同じ台数を売る規模。IDCは2025年のPCハンドヘルド出荷台数を200万台以下と予測しており、成長も鈍化しています。
それでも、プラットフォーム企業がハードを出し続けるのは、「ハードとプラットフォームの並行展開」が業界標準になりつつあるからです。
まとめ:ハードとプラットフォームの並行展開が主流に
まとめると、ゲームメーカーがハードを出し続けるのは、非合理的じゃなく、ビジネス的に理にかなっているから。ユーザーの習慣、ブランディングの強み、そして他社プラットフォームへのマージン回避の観点から、ハードはまだまだ「稼ぎ頭」なんです。
SteamやApp Storeのような成熟したプラットフォームがあっても、それらに依存すると価格戦略やエコシステムのコントロールを失います。だからこそ、ハード開発のリスクを背負ってでも、自社プラットフォームを持ち続けるわけです。
さらに、ValveやMicrosoft、Appleといったプラットフォーム企業すら、専用ハードを出している現実があります。これは、「ハードかプラットフォームか」という二者択一ではなく、「ハードとプラットフォームの並行展開」が今後の主流になることを示しています。
技術が進化しても、専用ハードの価値——安定性、操作感、統合体験——は消えません。むしろ、5Gやクラウド技術の進化で、独自クラウド+ハードの融合が進むでしょう。任天堂がNintendo Switch Onlineをスマホ連携強化したり、独自決済を増やしたりする動きは、その兆候です。
あなたはどう思いますか? 将来的にはSteamやスマホアプリだけの時代が来ると思います?それとも、ハードとプラットフォームの並行展開がこのまま続く? コメントで教えてください!



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