僕は2015年からフリーランスとして働いています。正直僕は稼ぎもそんなに多い方ではないですし、営業などもちゃんとやってないですし、税務に関してもあまり詳しくないので、スボラフリーランスではあります。
ですがそれでも一応七年近くフリーランスをやっていますので、僕なりに感じたフリーランスのメリットについて語りたいと思います!
※フリーランスという働き方が合わなくても、当ブログでは責任をとることはできません。あくまで自己責任でお願いします。
契約期間のある働き方で、仕事環境をリセットしやすい!
僕は基本的に準委任契約という形式でお仕事の契約をしています。準委任契約がどういう契約かはググればでてくると思うので詳細は割愛しますが、簡単に言うと時給何円で働きますよって感じの契約で、成果物は完成させなくても契約上は問題がないのが特徴です。
準委任契約では契約する際に契約期間を決めた上で契約を行います。例えば2022年9〜12月の三ヶ月契約といった具合です。この「契約期間が明確に定められている」というのが、正社員との大きな違いであり、フリーランスの隠れたメリットだと思っています。
正社員とフリーランスの「辞めやすさ」の違い
契約期間中はもちろん仕事を行わなければなりませんが、実際に仕事を始めると様々な不満が出始めたりします。
例えば:
- もうこの現場一年以上いるけど仕事慣れちゃって刺激がないよ。もうこれ以上この現場にいたところで成長できないよ。
- このプロジェクトすげーレガシーな技術使ってるから新しい技術を提案したけど、右から左へ流されて採用された試しがないじゃないか。
- 同じプロジェクトのYさん会議で俺が発言するとやたら揚げ足取ったり難癖つけたりするし、こないだミスしたらSlackで晒されたりしたけどなんか嫌われてる?
※これらはあくまで一例です。実在の人物団体は一切関係はありません。たぶん。
こんな感じで、仕事の内容や職場の雰囲気や人間関係等が問題で次の現場に移りたくなってきたりすることがありますが、フリーランスなら次の契約更新を行わなければ良いのです。そうすれば契約満了後、晴れてその現場には行く必要はなくなります!
「いや正社員だって法律上いつでも辞めたい時にやめれる!」というツッコミもあるでしょう。確かにその通りで、法律上はいつ辞めても問題ありません。
しかし正社員はメンバーシップ型の雇用という特徴があります。社員として働いている以上、仕事に対する責任感の重さや会社の同僚・上司などとの強いつながりが生まれがちです。また、転職回数が多いとジョブホッパーと呼ばれ、面接の際にあまり良く思われない傾向もあります。
一方でフリーランスは契約期間という明確な区切りがあるため、心理的にも社会的にも環境をリセットしやすいんです。人間関係も一度リセットできますし、「契約満了による現場変更」なので履歴書上も自然な流れとして説明できます。
ただし例外もある!
最後に注意しておくと、契約更新を行わない旨を企業に連絡した際に、「今辞めたら困るからあと何ヶ月続けて!」と言われる場合もあります。法律上は断っても何の問題もありませんが、実際に言われると断りにくく、ダラダラ続けてしまうことも。
とはいえ、基本的には正社員と比較して定期的に環境を見直す機会があり、精神的に楽に現場を移れるというメリットがあると思います。色んな現場を渡り歩いてみたい!という人にはおすすめですね。
自由に長期休暇が取れる!
会社員であればフリーランスと違って有給休暇があり、有給休暇であれば休んでもお給料が貰えるのでフリーランスからすれば何とも羨ましい制度であります。しかしその有給休暇にも限りがありますし、一ヶ月、二ヶ月という長期休暇は中々取りにくいと場合がほとんどでしょう。
フリーランスであれば長期休暇を取るのは簡単です、仕事を入れなければ良いのです。実際に仕事を入れないで長期休暇を取るフリーランスは多く、旅行に行ったりスキルアップするための学習などに利用するケースなどが多い様です。
注意点として、当然ながら休暇中はお金が稼げないので休暇の取り過ぎでジリ貧になっても自己責任です。
この様に自由に休暇が取れるのはフリーランスのメリットの一つと言えます。
週休三日、四日それ以上も可能!
メリット2の自由に長期休暇が取れる!と似ていますが、フリーランスであれば週休三日、四日で働くことも可能です。
実際に私もやったことがありますが、仕事を募集している企業が週三〜四の勤務も可能な仕事だよと案内していることがあり実際その条件で参画したことがあります。
休みが多くなった分を勉強に充てればよりスキルアップして仕事の単価をあげることも可能です!多くなった休みをあなたなりに有効活用しましょう!
節税ができる
フリーランスであれば事業に必要な物を購入した際は経費にできるので節税になります。 例えばあなたがプログラミングを事業としているのであれば、新しいパソコン購入した際に経費にすることができ節税になります。 私はリモートワークで働いており自宅を自宅兼事務所としておりますので、家賃や光熱費の一部、机や椅子なども事業で使う物なので経費としております。
重要:節税効果は所得水準によって大きく異なります
ただし、フリーランスの節税効果は所得水準によって大きく変わることを理解しておく必要があります。日本の所得税は累進課税制度のため、所得が高いほど税率が上がり、同じ経費や控除でも節税効果が大きくなります。
- 低~中所得(年収600万円以下):節税効果は限定的
- 高所得(年収1000万円以上):大きな節税効果が期待できる
年収別節税効果シミュレーション
実際に3つの年収パターンで比較してみましょう。
※計算間違ってたらすいません。あくまで目安として算出した物とお受け取り下さい。
パターン1:年収400万円の場合
正社員(年収400万円)の場合
- 年収: 400万円
- 給与所得控除: 124万円
- 基礎控除: 48万円
- 課税所得: 228万円(400万円 – 124万円 – 48万円)
- 所得税: 約11万円
- 住民税: 約23万円
- 社会保険料: 約57万円(会社と折半)
- 手取り: 約309万円
フリーランス(年収400万円・経費60万円・青色申告)の場合
- 年収: 400万円
- 経費: 60万円
- 青色申告特別控除: 65万円
- 基礎控除: 48万円
- 国民年金保険料控除: 約20万円
- 国民健康保険料控除: 約40万円
- 課税所得: 167万円(400万円 – 60万円 – 65万円 – 48万円 – 20万円 – 40万円)
- 所得税: 約8万円
- 住民税: 約17万円
- 国民年金: 約20万円
- 国民健康保険: 約40万円
- 個人事業税: 0円(290万円控除のため)
- 手取り: 約315万円
結果:わずか6万円の差(節税効果は限定的)
パターン2:年収600万円の場合
正社員(年収600万円)の場合
- 年収: 600万円
- 給与所得控除: 164万円
- 基礎控除: 48万円
- 課税所得: 388万円(600万円 – 164万円 – 48万円)
- 所得税: 約37万円
- 住民税: 約39万円
- 社会保険料: 約85万円(会社と折半)
- 手取り: 約439万円
フリーランス(年収600万円・経費100万円・青色申告)の場合
- 年収: 600万円
- 経費: 100万円
- 青色申告特別控除: 65万円
- 基礎控除: 48万円
- 国民年金保険料控除: 約20万円
- 国民健康保険料控除: 約60万円
- 課税所得: 307万円(600万円 – 100万円 – 65万円 – 48万円 – 20万円 – 60万円)
- 所得税: 約20万円
- 住民税: 約31万円
- 国民年金: 約20万円
- 国民健康保険: 約60万円
- 個人事業税: 約2万円
- 手取り: 約467万円
結果:28万円の差(やや節税効果あり)
パターン3:年収1200万円の場合
正社員(年収1200万円)の場合
- 年収: 1200万円
- 給与所得控除: 195万円
- 基礎控除: 48万円
- 課税所得: 957万円(1200万円 – 195万円 – 48万円)
- 所得税: 約176万円
- 住民税: 約96万円
- 社会保険料: 約171万円(会社と折半)
- 手取り: 約757万円
フリーランス(年収1200万円・経費200万円・青色申告)の場合
- 年収: 1200万円
- 経費: 200万円
- 青色申告特別控除: 65万円
- 基礎控除: 48万円
- 国民年金保険料控除: 約20万円
- 国民健康保険料控除: 約83万円(上限)
- 課税所得: 784万円(1200万円 – 200万円 – 65万円 – 48万円 – 20万円 – 83万円)
- 所得税: 約120万円
- 住民税: 約78万円
- 国民年金: 約20万円
- 国民健康保険: 約83万円
- 個人事業税: 約25万円
- 手取り: 約874万円
結果:117万円の差(大きな節税効果あり!)
なぜ高所得ほど節税効果が大きいのか
日本の所得税は累進課税制度を採用しており、所得が高くなるほど税率が上がります:
- 195万円以下:5%
- 330万円以下:10%
- 695万円以下:20%
- 900万円以下:23%
- 1800万円以下:33%
- 4000万円以下:40%
- 4000万円超:45%
つまり、同じ100万円の経費や控除でも、税率が高い人ほど節税効果が大きくなるのです。
- 年収400万円の人(税率15%):100万円の控除で15万円の節税
- 年収1200万円の人(税率43%):100万円の控除で43万円の節税
結論:あなたの年収レベルで判断しよう
年収600万円以下の方
- 節税効果は限定的(年間数万円~30万円程度)
- 節税目的だけでフリーランスになるのは推奨しません
- 収入の不安定さや社会保障の違いも考慮しましょう
年収800万円以上の方
- 大きな節税効果が期待できます
- フリーランス化を検討する価値があります
- ただし、安定した収入確保が前提です
フリーランスには税制面以外にも制度的なメリットがある
同水準の年収でも、フリーランスには以下のような税制上の優遇があります:
- 青色申告特別控除65万円: 正社員にはない大きな控除
- 経費計上: 仕事に必要なものを経費として所得から差し引ける
- 節税の自由度: 支出のタイミングや方法を工夫して節税可能
経費として計上できるものの例
プログラミングを事業としている場合:
- パソコンやモニター、キーボードなどの機器
- インターネット通信費
- 技術書籍や研修費用
- 仕事で使う部屋の家賃按分(自宅の30%を事務所として使用など)
- 電気代の一部
- クライアント先への交通費
- 打ち合わせ時の飲食費
さらなる節税の可能性も
上記の計算には含めていませんが、iDeCo(個人型確定拠出年金)や医療費控除、ふるさと納税などは正社員・フリーランス問わず利用できる控除です。特にフリーランスは収入の波があるため、これらの制度を上手く活用することでさらに節税効果を高めることが可能です。
注意!経費の勘違い
余談ですが時々経費を申告すれば税金が浮くので実質タダだから、事業に関係ありそうな物であれば迷わず買って経費にしちゃおうみたいに考えてる人がいますが、もちろんこれは間違っていてそんなうまい話はありません。
経費によって浮く税金は申告した経費の一部の何%でしかありません。
上記の例でも、100万円の経費に対して直接的な節税効果は所得税・住民税合わせて約20万円程度です。つまり100万円使っても戻ってくるのは20万円分だけ。差し引き80万円は確実に出費となります。
なので余計なものを買いまくれば当然お金がなくなるので注意が必要です。
↓節税術に関しては下記をご参考にしてください。
副業を自由に始められる
会社員でも副業可の会社が増えてるので、そこまでのメリットでもないかもしれませんが、フリーランスは自由に副業を始められます。
例えば準委任契約で仕事をするのがメインで、余った時間をブログを書いたりYoutubeに動画投稿してお金を稼ぐこともできます。
一つの働き方に固執するとそちらで稼げなくなったら収入が途絶えピンチになりますが、本業と副業の二足の草鞋で稼げばどちらかの仕事で稼げなくなっても収入が途絶えることがありません。
また副業の始めた方の中には本業よりもいつの間にか副業の方が稼げる様になったと言う話もよく聞きます。
なので変化の激しい時代に多様な働き方を求めるという点でも副業を始める意義は大きいと言えるのではないでしょうか?(副業に関しては僕も勉強中なので偉そうに言えたことではないですけどね…笑)
単価が高くなる
準委任契約で働く専門職の大きな魅力のひとつが 「単価の高さ」 です。正社員と比べて、準委任契約の方が 月額報酬が高くなる傾向 にあります。その理由を詳しく見ていきましょう。
企業のコスト負担が少ない
正社員の場合、企業は 社会保険料(健康保険・厚生年金)の半分を負担 するほか、退職金・有給休暇・福利厚生などのコストも考慮する必要があります。一方、準委任契約では 社会保険料をすべて自己負担 する代わりに、企業側の負担が減るため、単価を高く設定しやすいのです。
ジョブ型雇用の影響
正社員は「メンバーシップ型雇用」が一般的で、スキル以外にも企業文化への適応や年功序列などが影響します。しかし、準委任契約は 「ジョブ型雇用」に近く、特定のスキルや経験に対して報酬が支払われる ため、市場価値に応じた単価を設定しやすい のが特徴です。
長期雇用の保証がないリスクプレミアム
準委任契約は プロジェクト単位や期間限定の契約 となるため、契約が終了すれば収入が途絶えるリスクがあります。そのため、企業側も 雇用の安定を提供しない代わりに、高めの単価を設定する 傾向があります。
単価の相場は正社員の1.2〜1.5倍以上も
正社員と準委任契約の月収を単純比較すると、準委任契約の方が 1.2〜1.5倍以上 の単価をもらえるケースが多いです。例えば、正社員の月収が40万円の場合、同じスキルを持つ専門職なら 50万円〜60万円 の単価を提示されることも珍しくありません。
特にエンジニア職では単価アップの恩恵が大きい
IT人材の慢性的な不足や技術的専門性の客観的評価のしやすさから、エンジニア職では上記のメリットを特に享受しやすい傾向にあります。しかし、デザイナー、マーケター、コンサルタント、ライターなど、専門性の高い他の職種でも同様の構造的メリットを活用できる可能性があります。
まとめ
いかがでしょうか?ここまで紹介したフリーランスのメリットをまとめると、これらは全て「自由の道を選択した者が享受できるもの」だと言えます。
- やりたい仕事とやりたくない仕事を自由に選べる
- 自由に長期休暇が取れる
- 週休三日、四日それ以上も可能
- 節税の自由度が高い
- 副業を自由に始められる
- 市場価値に応じた単価設定の自由
しかし、自由を求めた以上、その代償としてのデメリットも必ず存在します。収入の不安定さ、社会保険料の全額負担、孤独感、営業活動の必要性など、正社員であれば企業が肩代わりしてくれる様々なリスクを自分で背負うことになります。
フリーランスとは、まさに「自由と責任は表裏一体」を体現する働き方なのです。
こちらを読んでフリーランスに興味が湧いた方もそうでもなかった方もおられるかもしれませんが、あくまで当ブログではフリーランスをあなたへおすすめしたい訳ではなく、僕の体験談を元にフリーランスのメリットという情報を共有したかっただけです。
もしあなたの価値観や目的を達成する手段としてフリーランスという働き方がマッチしていそうであればご検討してみては如何でしょうか?
自由の代償として背負うデメリットに関しても記事を書きましたので、よければ下記リンクからお読みください。
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